ノイズキャンセル

5年程前に制作したが、送信時にリレーが破損し、100Wが回路に流れ、丸焼けになった。
しかし、
そのすばらしさが忘れられず、また、息子の家のTVノイズ、並びに、小生の小屋のエアコンノイズ
はたまた、コンディションの低下で、聞こえるのはノイズばかり、これでは、年寄りの耳が悪くなる。
仕方なし、再制作となった。
前回は、そこらにある部品で、原作者の回路通りには制作しなかったが、今回は全て新規の部品を
使うこととして、買いそろえた。
5000円程かかったが、 その性能の良さにほれぼれである。  ついでに、ノイズでお困りの皆様に
活用できるように簡単な解説を付けることとしました。

デジタル全盛のこの時代にも絶対必要な装置
何せ、リグ直前でノイズを消してしまう装置なのである。  くさい物は元を断つコンセプト
しかも、簡単 
10db以上のノイズカットする。 (Sで3個以上) 勿論3Mhz〜30Mhz までカバー
信じられない装置が昔あった。  

同一信号を入れたときの減衰

14Mhzにおける 試験

2個のVRと2個の位相変更用SW
を巧みに操ると、こういう現象になる。
黄色が出力、緑が入力(同一レベルとした。)
ただし、若干の熟練が必要 1時間程度練習必須

まずは回路図
これはかなり昔、掲載された原型 今は亡き JA1DI 山口(HAM ジャーナル) さんの記事と記憶。
すばらしいマシンなのだが、評価されないのが不思議でしょうがない。
売ってないからか?

18Ω

300Ω

300Ω

18Ω

SWR保証用トラップの抵抗値 18・300Ωに変更
トランスは全てFB−801(43材) T1 4回トリファイラ
                      T2 4回バイファイラに変更
電源は7V〜12Vとした。

回路の説明

正確な説明は小生にはできないが大筋の所

ノイズをA2から90°可変回路に導き、180°変換しMIXすれば A1から入ったノイズ
ノイズを打ち消す。(A1 A2はアンテナが違うので消しやすいノイズをSWで選択する。)
打ち消すノイズにねらいを絞るのが90°回路 うまく選択できれば MIXで消せる事となる。

しかし、結構この操作、慣れないと難しい、 あらかじめオシロなどで確認してからの方が
簡単である。
また、周波数やノイズの性質で変化するので 慣れる必要がある。 
小生には昔の無線機を操ってる
               感じがして楽しくもあるが。

オシロでの試験結果
(同一信号でのサプレッション)

3.5Mhz

7Mhz

14Mhz

試験風景

end

SGで同一信号を入力し、SW類を調整
打ち消せるか試験した。
メインの信号も打ち消せるので、トリム(調整操作)は
おもしろい。

ノイズ用アンテナには広帯域ループを使用
もっと悪いアンテナの方が良いが。


FCZ基板で簡単にくめる、
パスコンは104(0.1)を使用した。
黒いコアがFB-801

TS-50に取り付けたところ、スタンバイ回路・使い方については「使い方他」へ

TX:トランシーバー CON:TS-50からのリレー出力
ANT:メイン(送信用)ANT  NO:ノイズ取得用ANT
PW:DC8V〜12V

使い方その他詳細へ

回路図比較 VS VK5BR

このマシンの計測結果

ノイズキャンセルの原理

ステレオのスピーカーを下の図の様な結線をしてみてください。

これは昔ヨーロッパではやった、スピーカマトリックス4chステレヲ
です。
メインの歌手の声が消え、左から右の音を引いた音が出ます。
もし、ノイズ等が左右同じ位相・レベルだったら打ち消しあって消えます。
これを高周波的に行うのがノイズキャンセラの原理です。

スピーカーと違ってアンテナは同一のアンテナを設置することは
殆どできません。

仕方なし、アンプを入れて若干の調整をします。 極簡単な増幅器と
位相変更用の回路のみでノイズなどの消去が可能となるわけです。  しかも
DSP等と比べると、音も自然ですし、処理速度は同時進行ですから、早い、
デジタルが早く成ったと言っても比較になりません。
ノイズを選別するのではなく、ノイズでノイズを消すのです。
欠点
アンテナはできる限り充分ノイズが入るものが必要。
メーカ製の様にホイップでは室内ノイズにしか効果はありません。

2011/04/21更新

電圧を変更できる様にするとさらに性能は向上する。

ノイズを消す高性能アンテナ